• ゆうゆう
「地球のくらし保育園」へ向けた四井さんからのメッセージ

社会福祉法人ゆうゆうは令和8年4月に山梨県南アルプス市に県内初の持続可能な暮らしをコンセプトにした保育園及び児童発達支援センター等の複合施設を開設予定です。
施設名が
「地球のくらし保育園」
に決まりました。命名したのは今回ご協力いただく四井真治さんです。
四井真治さんからメッセージをいただいております。

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暮らしとはその風土で生活することで生まれる秩序。
その秩序の延長線上に教育もあり持続可能な社会も形成されてきました。

かの化学者イリア・プリゴジンは混沌から秩序が生まれる仕組み、秩序が秩序を生み出す自己組織化を「散逸構造論」として論じ1977年にノーベル化学賞を受賞し物理学が変わりました。40億年前から続く生命もこの混沌からの秩序によって生まれたもので生命である私たちの営みも生命と生命の相互作用、自然(風土)と人、人と人の相互作用によって暮らしという秩序も生み出されてきたのです。

しかし、現代の便利な暮らしは風土のありがたさや本来の生きていく知恵を無意識化してしまいその不安定な秩序の暮らしの集まりによってできる社会は持続可能性を失いつつあります。保育や教育も然りです。

本来、教育とは親の生きていく暮らしの作業を手伝うことからの学びがベースであり、読み書き算数はそれを補完する形で寺子屋や学校が担っていました。第三次産業の人口が70%を占めるサラリーマン社会の現代では分業化が進み畑や庭もない家庭が多くなり本来の暮らしの秩序から遠く離れたライフスタイルとなってしまっている人が多く占めています。そうなると子供たちの日常からの学びは少なくなるどころかそのような経験が少ない親や先生が能力的にも時間的にも教えられなくなってきているのが現状です。

いい環境があれば子供たちは自ら遊び学びますがそれにそこで生きるための知恵、暮らしを伝えられる大人がいると学びが深くなり成功体験の質も高くなります。現代の教育現場には地域社会的にも人材的にもそのような大人のいい影響が少なくなっており表面的には物事を伝えられるものの本来の教育の土台である暮らしという秩序は伝わりにくくリアルに応用が効かなくなってきています。

暮らしには衣食住あらゆる要素が含まれそれらをこなす多くの能力が必要とされます。100のことができるから百姓とも言われるように一次産業の人口が多かった時代は多くの人が大方のことをこなすことができていました。それはあらゆる能力の人を生み出し社会に職業が自然発生する仕組みにもなっていました。つまり、暮らしはあらゆる職業の人材を育てる仕組みでもあり社会を構成する人員を維持する仕組みの要でもありました。

私たちそのものも生命でありその営みから生まれる暮らしという秩序、その集まりによって形成されている社会も続く仕組みであることで未来がありそこに存在意義があります。現代は目まぐるし変化があり秩序を見失いがちです。この混沌とし本来の秩序を見失いつつある社会に秩序を取り戻すべく暮らしを土台にした保育や教育が行われることで子どもたちの未来や社会に命という秩序が宿ることでしょう。

地球のくらし保育園で育つ子どもたちは地域だけでなく地球規模、過去と現在と未来を40億年という大きく長いスケールで物事を考えられる豊かな人になってくれるし、そのような子どもたちが地域の担い手になれば地域も時空を超えて豊かになれると信じています。

《note》四井真治さん×社会福祉法人ゆうゆう
《note》令和8年4月南アルプス市に開園【地球のくらし保育園】